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記事No.951 [零戦空戦記] 返信ページ
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■951  零戦空戦記 
□投稿者/ 軍曹 新人(18回) [ID:OFKsEpHf]
親記事
引用

一応私もオリジナル小説が出来ましたが、今回書いた小説は久しぶりに書いてみたので内容が単調になってしまいつまらないかもしれませんがよろしくお願いします

2007/10/02(Tue) 18:23:37 [編集|削除]

■952  Re: 零戦空戦記 入団編 
□投稿者/ 軍曹 新人(19回)- [ID:OFKsEpHf]
Res1
引用

昭和20年8月15日、戦争は日本政府のポツダム宣言受諾によって終結し、日本は連合国に無条件降伏をした。
 玉音放送時私は茨城県の霞ヶ浦航空隊で教官をしていた、午後に天皇陛下による重大放送があると聞いてはいたものの、その時は『きっと陛下が本土決戦に備えて将兵に渇を入れるんだろう』位しか思っていなかった。放送を聴いているときラジオの雑音が酷くて陛下の声があまり聞こえなかったものの『耐え難きを耐え  忍び難きを忍び』という部分だけはしっかり聞こえた、これを聞いたとき(最初は何を言っているのか分からなかったが)『あゝ戦争は終わり日本は負けたんだ、日本を護る為に特攻機に乗って行った奴等に何と言ってやればいいんだ・・・・畜生!』と憤りを感じながらも頬から流れて来る涙を我慢することができず誰にも気付かれないようにこっそりと格納庫の隅で声をひそめて泣いていた。

  

 

2007/10/02(Tue) 19:24:22 [編集|削除]
■953  Re: 零戦空戦記 
□投稿者/ 軍曹 一応書き込む人(20回)- [ID:OFKsEpHf]
Res2
引用

そして今、私は復員列車に乗り込み故郷向かっていた、列車は東京駅のホームに入り暫らく停車していてそろそろ出発かな?と思っていたら、駅員に『この列車の出発は明日になりますので、今日は何処かに泊まって下さい』と言われしかたなく駅のホームで寝ることとして、焼け野原を免れた銀座を散策していると、頭上から飛行機の爆音が聞こえ近くにいた通行人が一瞬慌てていたが、飛行機に日の丸がある事に気が付いて立ち止まりながら『何故日本の飛行機が飛んでいるのだ?戦争は終わったのに』と呟いていたのを尻目に私はその飛行機がばら撒いていたビラを眺めつつ呟いた『零戦か・・・奴等は何を考えて戦争を続けるのだろう、天皇も負けを認めたというのに・・・』と考えていたが、翌日復員列車の中で戦友が厚木空が反乱を起こした事を教えてくれた。
翌日、復員列車は動き出し東京を離れ私の故郷に向かって居た、とうの私は窓枠に肘を付いてぼんやりと景色を眺めながら海兵団に入団した時の事を思い出していた。


 

2007/10/02(Tue) 19:26:14 [編集|削除]
■954  Re: 零戦空戦記 
□投稿者/ 軍曹 一応書き込む人(21回)- [ID:OFKsEpHf]
Res3
引用

昭和17年、18歳になった私は『徴兵でどうせ陸軍に入るくらいなら海軍に入った方がマシだ』と考え、身体検査を受けどうにか乙種合格になった。翌日横須賀海兵団に入団し、いざ入団式に参加すべく引率の下士官から渡された水兵服に着替えてみたら背が少し小さい私には水兵服がブカブカになり、このことを引率の下士官に相談した所『海軍では体を服に合わせるのではなく服を体に合わせるのだ』と言われ
内心(ナンジャソリャ!)と驚いたものの今更引き返す
訳にもいかないのでそのままで入団式を行った。そして、いよいよ晴れの海軍に入ったもののこれから起こる地獄のような新兵教育が始まろうとは夢にも思わなかった、翌日さっそく短艇(カッター)を使った訓練が始まり、終盤に差し掛かったころ突然後ろに乗っていた教官から『これから他の短艇と競争を行う、もし貴様達が負けるような事になれば俺の顔に泥を塗ることになる!わかったか!』と言われたものの船の漕ぎ方もまだ慣れていないのに私達が勝てる訳もなくものの見事にビリになってしまった。しかし、夕飯を抜かれる事も無くこのまま平穏に終わるかなと思っていたのが大間違いだったと後になって思い知らされた。夜、突然教官が私達の移住区に入ってきたかと思うといきなり『貴様達の根性はたるんでいる!まだ世間の空気が抜けていないなら、俺がその腐った根性を叩き直してやる!全員廊下に整列しろっ』と言われたものの初年兵の私がでしゃばった所で『初年兵の癖に生意気だぞ!』といわれるのがオチだと思い言われるままに廊下n整列した直後教官が全員に『足を開け!歯を食いしばれ!』と言われるままに足を開き歯を食いしばった瞬間、教官が手に持っていたかなり太い竹刀が尻のあたりにバシっという音とともに強烈な痛みが走り、3〜4回目には、もう駄目だと倒れそうになった時運良く教官の『次っ』という声で我に返った。そして、数ヶ月が過ぎたある日地獄のようだった新兵教育が終わりに近づく中いつものように校庭で手旗信号の練習をしていて、練習が終わり教官の前に整列して解散の命令を待っていた時、突然教官から一枚の紙を渡され『それに貴様達が希望している兵科を書いて消灯時間までに持ってくる事』と言われ解散した後私は移住区に戻り渡された紙に「飛行機乗り希望」と書いて教官に提出した。私が海軍に入った本当の理由は小さいときに海軍の閲兵式で見た飛行機に興味を持ち憧れて『将来は絶対海軍の飛行機乗りになるぞ』と決めていたからである。しかし当時はまだ飛行機は海軍ではあまり人気はなく教官に怒られるかと思っていたが何事も無く私は無事に海兵団を卒業することができた、そして、次の任地はいよいよ待望の「霞ヶ浦練習航空隊」に配属されることになった。

 

2007/10/02(Tue) 19:28:16 [編集|削除]
■961  Re: 零戦空戦記 飛翔編 
□投稿者/ 軍曹 一応書き込む人(24回)- [ID:OFKsEpHf]
Res4
引用

零戦空戦記」第二部<飛翔編>

  晴れて海兵団を卒業した私は今、霞ヶ浦航空隊の正門にに直立不動の姿勢で衛兵に『泉二等水兵は横須賀海兵団を卒業し、霞ヶ浦航空隊に3等飛行兵曹として配属された事をここに謹んで申告いたします!』と大声で報告し、私はいよいよ飛行予備練習生になった、しかし、霞ヶ浦航空隊に入ってもすぐに飛行機に乗せてくれる訳ではなく、2日間は飛行機の雑学をさせられた。そして、3日目いよいよ念願だった飛行作業の日が来た、私の心は弾み、いざ飛行服を着ようとしていたら外からポツポツと音がしていたので外を見てみたら雨が降ってきていて、当直の兵が『本日は天候不良で飛行作業は中止』という知らせを聞いたとき、飛行機に乗れるという夢が音を立てて崩れていくのが自分でも良く分かった、暫らく口を開けたまま呆然として、思わず心の中で(雨のバカヤロー)と叫びながら私はとぼとぼと自分のベッドまで歩いて行き寝そべっていると同期の山中三飛曹が『泉よ今日は残念だったな、このままこうしていても仕方が無いし、町に出掛けて旨い物でも食って気晴らしをしようや』と誘われ(まぁ確かにやることも無いし町をぶらついて気分転換でもするかと考え)それを快く快諾し、航空隊の近くにある繁華街へと足を運びそこで山中三飛曹、倉持三飛曹と共に酒屋に入った。(しかし私はここでとある誤算に気が付くべきだったことを後になって知る)私は酒にあまり強く無いのでビール1杯だけを飲んで後はつまみを食べていたが、山中と倉持三飛曹は普通にビール5杯をそれこそアッと言う間に飲み干し、そこまでは良かったものの、帰隊時間が近づいてきた為、2人に促すべく振り向いた所、山中と倉持両三飛曹は高らかにイビキを掻きつつ寝ていた。私はこの時に初めて人を殴りたい衝動に駆られたものの、それを必死に堪え2人を背負ってどうにか帰隊時間までに基地にたどり着き(明日こそは晴れてくれ)と願いつつ夢の世界に突入した。

 

2007/10/03(Wed) 20:17:29 [編集|削除]
■962  Re: 零戦空戦記 
□投稿者/ 軍曹 一応書き込む人(25回)- [ID:OFKsEpHf]
Res5
引用

そして翌日、その日は見事なまでの快晴で絶好の飛行日和だった、私達練習生は急いで飛行服に着替え格納庫前に駆け足で集合し、飛行長の訓示と諸注意を聞き、搭乗割(飛行機に乗る順番が書かれている掲示板)を見て、私が最初に練習機に乗ることになった。列線(格納庫から出した飛行機を並べる場所)に向かい、既に練習機に搭乗している教官に向かって一通り報告して、練習機通称「赤とんぼ」の周りを一周して目視で異常が無いか点検し、再び教官の前に戻り直立不動の姿勢で指示を待っていたら教官から『ヨシッ乗れ』と言われ前席の操縦席に座ったら(練習生は前、教官は後ろと決まっている)教官から『右下に置いてある機上無線を付けろ』と言われ右下に置いてあった機上無線を装着したら耳に付けたレシーバーから教官の声が聞こえ『それでは今から離陸を開始する、良く見ておれ』と言うが早いか「赤とんぼ」はスルスルと滑走路に向かって発進して、スピードを上げ始めそろそろ浮くかな?と思った瞬間機体はフワッと地上を離れた。
暫らく上昇したのち水平飛行に移り、私はしばし地上の景色に見とれていたらレシーバーから教官の声で『泉学生、今の高度は何メートルか分かるか?』と言われ慌てて前方にある計器盤を見たもののどれがどれだか分からず『分かりませんっ』と恐る恐る答え、怒られるかな?と思っていたらレシーバーから『現在の高度は700メートルだ、左側に針が二つ付いてる計器があるだろ、それが高度計でその右下にあるのが速度計だ』と言われ確認してみた所、なるほど、確かに高度計、速度計と書かれていて針は700メートルを示していた。そして暫らく飛行場を周回飛行した後着陸して、その後も一通り「水平飛行」や「着陸」等の飛行技術を学び、私の飛行機人生第一日目は終了した。
 翌日も「赤とんぼ」を使用した飛行訓練が終わり、単独飛行(文字通り教官を乗せず一人で操縦する事)も無事合格し、その後も中練を使ったより実践的な飛行訓練も終わり、3ヵ月後、私は飛行予備練習生からいよいよ夢にまで見た「戦闘機乗り」になった。
                 飛翔編完               次号「初陣編」に突入、乞うご期待!

 

2007/10/03(Wed) 20:18:10 [編集|削除]
■965  Re: 零戦空戦記 初陣編 
□投稿者/ 軍曹 一応書き込む人(26回)- [ID:OFKsEpHf]
Res6
引用

第3部初陣編


無事に戦闘機乗りになった私が配属されたのが「台南海軍航空隊」であった、私達新米パイロットは基地に到着してまず驚いたのが、なんと基地の外れに敵機爆撃機の無数の残骸があるではないか!、私はここが最前線の基地だと始めて実感し、又身震いした。ふと私はここで有る事に気が付いた。この飛行場にある飛行機はてっきり96式艦上戦闘機ばかりかと思っていたのだが、何とここに駐機してあったのは全金属製・引き込み式の脚、「零戦」であった。しかし、私たちヒヨッコパイロット(新米)には中々乗せてもらえずもっぱら先輩搭乗員の話ばっかりでじれったい思いをしていたものの、それから1週間あったある日、何とこの日の搭乗割に私の名前があるではないか、急いで飛行服に着替え指揮所前に行こうとしたら後ろから『貴様が泉三飛曹か』と言われ振り返ってみるとそこには3年先輩の岡田1飛曹が居て『今日の貴様の1番機は俺だ、しっかり付いて来いよ』と言われ、私は『あ々これで俺も一人前のパイロットになれるんだ』と思う反面『しかし、もし敵機に遭遇したらどうしよう、』と考えていたらそれを察したのか岡田1飛曹が『何そんなに緊張するな、どうせ敵サンは上がって来ないさ、なんせ我が零戦部隊は最強だからな』と言ってくれて少し緊張は和らぎ、私は指揮所前で出撃の挨拶を行った後、列線に止めてある「零戦」に乗り込んだ。離陸をして上空で編隊を組み、一路敵飛行場を目指して飛んでいった、30分ぐらい飛行していた時、指揮官機が突然バンク(翼を上下に振る事)をして、『戦闘隊形作れ』と命令し、編隊は隊列を縮めて周囲を警戒し始めた。しかし、結局敵機は現れず私の初陣は地上銃撃だけで終わった。そして、基地に帰還し、戦禍の報告をした後私は一人兵舎のベッドで横になりながら
『明日こそは絶対敵機と遭遇して撃墜してやる』
と決意していた。翌日は出撃は無く基地はのんびりムードになっていた。私は愛機の手入れをしていると、山中三飛曹が現れて『貴様も本当に飛行機が好きなんだなぁ〜』とからかってきたので私は『飛行機が嫌いな奴が戦闘機乗りなんかになる訳無いだろう?』と言って返していると、自然と他の同期の奴等が集まってきて『しかし、泉はいいよなぁ俺達より先に初戦果を挙げれるんだから』と言ってきたので私は『でも、結局敵機には出会えなかったし詰まらなかったよ』と言いながら冗談を言い合っていると搭乗割が置いてある近くから『お〜い午後の哨戒飛行の搭乗割がでたぞ〜』と声が聞こえてきた、山中が『はぁ〜俺達ヒヨコは今日も哨戒飛行かぁ〜96艦戦よりも早く零戦に乗りたいなぁ』、『でも96艦戦も良い飛行機だと思うぞ?』と私が言ったら他の奴等が『96よりも男はやっぱ零戦だよ』と言っていた奴が搭乗割を見た瞬間ガックリと肩を落としたため私は『どうした?当たったのか?』と聞いた所『いや外れたよ・・・今日こそはと思っていたのになぁ〜』、『お前は一体零戦と96艦戦どっちに乗りたいんだ?』と突っ込もうとしたものの諦め、搭乗割を見てみると何と私の名前が載っていた、

 

2007/10/06(Sat) 17:40:58 [編集|削除]
■966  Re: 零戦空戦記 
□投稿者/ 軍曹 一応書き込む人(27回)- [ID:OFKsEpHf]
Res7
引用

しかし、哨戒飛行とは言っても敵機と遭遇する確率は低いだろうと思い今日は遊覧飛行でもしてくるかと考えていると、『よう泉三飛曹どうやら今日のペアは貴様のようだな』と言われ『岡田一飛曹でしたか、今日は宜しくお願いします』と返事をすると『しかし、哨戒飛行とはなぁ〜どうだ泉今日は少し模擬空戦でもやってみるか?』と誘われ『本当ですか?宜しくお願いします』と礼を言って駆け足で96式艦上戦闘機の操縦席に乗り込みエンジンの始動をしていると、ふいにサイレンの音が甲高くなり(何事だ!)と周囲を見回してみると整備兵が『空襲!空襲!』と叫んでいて1番機の岡田機の方に目を向けると手信号で(行けッ)とやっていたので急いで整備兵に『車輪止めはずせ〜』と言って車輪止めが外れた瞬間、エンジンを全開にして滑走路に向かい一時停止も忘れて離陸した、高度を700メートルに取って周囲を索敵すると我が機の9時方向に機影が見えたので目を凝らしてみると、それは中国空軍の双発爆撃機だった。お互いの距離はそんなに離れていない為私は機を暖降下させてスピードを上げつつ距離を縮め、距離が200メートルまで接近した時、私はそこで望遠式照準器(文字通り望遠鏡の用に覗き込んで照準をする、零戦は光学式で光の反射を利用するタイプ)ちょうど照準の真ん中に敵機が重なるようにしながらさらに接近していると、突如敵機の旋回銃座が射撃してきたので私も慌てて発射柄(トリガー)を引いたら「カチッ」と鳴っただけで弾が出ないので思わず『機銃の故障か?』と思って見たら、不覚にも機銃の安全装置を解除するのを忘れてただけで、すぐに安全装置を解除し私は敵機に向って機銃を発射した。しかし、距離が遠かったのか曳光弾の殆どが敵機の後ろを通過してしまった、距離を縮めようとほんの少しだけ機首を下げて接近を試みながらも固定脚の96艦戦では中々縮まらないのでスロットルを前に叩きながら接近し距離が100メートルを切ったと思った瞬間私は敵機の後部銃座に向って機銃を発射した。曳光弾は吸い込まれるように後部銃座付近に命中し、旋回銃座からの射撃が止んだので『よっしゃあ、手応えありっ』と心の中で叫び場がらさらに射撃を加えつつ50メートルまで近づき『これでトドメだっ!』と言わんばかりに機銃を発射しようとしたら又「カチッ」という音が聞こえ、『チッ弾切れか』と舌打ちしつつ
 「どうしたら落せるだろうか?」と考えているとふと頭の中で同じ96艦戦で体当たりで敵機を撃墜した例がある事を思い出し、それはら同じ96艦戦で出来ないはずがないと考えそっと操縦桿を下げ敵機に体当たりしようとしたら前方にいきなり零戦が現れたかと思うまもなく敵機に向って20ミリ機銃を発射し敵機は左側のエンジンから火を発しながら墜落した。私は思わず『やった!やっぱり零戦の20ミリはすげぇ
』と叫びながらふと後方に気配を感じたので振り返ってみると、そこには岡田一飛曹がニヤニヤしながらこっちを見ていたので、思わず「あちゃ〜見られたか・・」と思うまもなく

 

2007/10/06(Sat) 17:42:30 [編集|削除]
■993  Re: 零戦空戦記 
□投稿者/ 軍曹 一応書き込む人(33回)- [ID:OFKsEpHf]
Res8
引用

先程の零戦が近づいてきて風防が開き中からベテランパイロットの古村一飛曹が手信号で「帰るぞ」と送ってきたので機首を基地に向けて引き返し、着陸した後96艦戦から降り、指揮所に報告に行こうとすると後ろから岡田一飛曹が『こらぁ〜泉〜貴様さっき体当たりで敵機を撃墜しようとしたなぁ〜!』とヘッドロックをかましながら言われていると、一緒に帰還した古村一飛曹が『岡田一飛そうまぁその辺で勘弁してやれ、それより泉貴様の勇気に免じて今日の獲物は貴様にささげてやる』と言われ最初は何を言われているのか分からなかったものの指揮所前で戦果の報告をしていて、古村一飛曹が『離陸後基地を攻撃せんとする敵機を発見これを撃墜しました』と言われてもしや?と考えていたら司令が『落したとは誰か?』との問いに古村一飛は『はっ泉三飛曹であります』と答え近くにいた飛行長に『泉三飛曹墜落を確認したか?』と睨まれ『えっとその・・・』とうろたえてると『私が確認しました、泉三飛曹は全弾を撃ち尽くして反転、追跡を続行した私が確認いたしました』と古村一飛『共同撃墜か?』と司令、しかし古村一飛は『いえ、私が射撃しようとした時には敵機は地上に滑り込んで大破、止めに私が20ミリを一連射した所敵機は爆発炎上しました』と答え司令が『では泉三飛曹敵機撃墜確実だな、飛行長初戦果の祝いとして泉三飛曹に清酒を渡してやれ』と命じ、かくして私は岡田一飛曹達の言っていた『今日の獲物は貴様に譲ってやる』という意味を呑み込めた。
その夜、私は岡田・古村両一飛曹と清酒を飲みながら(私より岡田一飛曹達が飲みまくっているが・・)今日の空戦の事を話していた岡田一飛が『泉よ貴様敵機を撃った時の事を覚えているか?』と聞かれたので私は『はい覚えております』と答え『ではその時何メートルぐらいだったか覚えてるか?』と言われ『確か最初に200メートルで射撃を開始して、一番接近したのは多分150メートル位まで接近したと思います』と言うと岡田一飛は『所がだな、貴様が射撃を開始したのは300メートルで一番接近した時も200メートルより中には入っていなかったぞ』と言われ私は『そんなに離れていたんですか・・・』と驚いていると古村一飛が『まぁ最初の頃は誰だってそうなるさ、しかし、泉よこれは覚えておけ200と思ったら300、50と思ってもまだ100はあると思え、何そう簡単に衝突はせんよ向こうも必死で逃げているんだから、それとだな敵機を撃つ前は必ず後ろに敵機が追尾していないか確認しろ、前の敵機に気を取られていると後ろから撃たれるかもしれないからな・・・』と言われ私は古村一飛に言われた事を教訓とし、これが後に役に立つとは夢にも思わなかった。
   初陣編完
 次号『奮戦編』

 

2007/10/09(Tue) 23:29:56 [編集|削除]
■1039  Re: 零戦空戦記 奮戦編 
□投稿者/ 軍曹 一応書き込む人(34回)- [ID:OFKsEpHf]
Res9
引用

第四部「奮戦編」

私が台南空に入って早6ヶ月が過ぎ、昭和18年6月私は母艦勤務(航空母艦への転属の事)を命ぜられ空母(航空母艦の略)「瑞鶴」(ずいかく)の戦闘機隊に転属し、以後昭和19年の「レイテ沖海戦」で瑞鶴が沈むまで海の上で戦う事になった。しかし、私は空母に着艦(着陸と同じ)をしたことが無く、始めの内は陸上基地で三点着陸(飛行機の前輪と後輪を同時に地面に付ける事)の訓練をして、2週間、いよいよ空母の飛行甲板(ここで飛行機の発艦・着艦を行う場所)に降りる事になった。初めは飛行甲板ぎりぎりの所を低空飛行して勘を掴み、それを2〜3回繰り返した後いよいよ実際に着艦フック(空母に着艦する際フックを飛行甲板の後ろにあるワイヤーに引っ掛けて止まる仕組み)を出して降りる時が来た。そして無事に空母に着艦し、陸地にしばしの別れを告げ、私は搭乗員待機室(飛行機搭乗員の寝起きや出撃する前に待機する場所)で私物を置き、人生初の艦内生活に馴染むべく、艦内をうろついていると後ろから声を掛けられ『おっ泉じゃないか』と言われ誰だろうと思い振り返ってみるとそこには練習航空隊で一緒だった倉持三飛曹が居た『おぉ倉持ではないか、懐かしいなぁ』と久々の再開に喜んでいると急に倉持三飛曹が真顔になって『所で泉よこの船の目的地は知っているか?』と唐突に聞かれ『確かタウイタウイ島の停泊地に向っていると聞いたが』と答えると『あぁどうやら今度の作戦はサイパン島の近海にいると思われる米機動部隊(空母を中心とした艦隊の事)を攻撃するらしぃ』『そうか、所で俺は戦闘機隊の第二小隊だが貴様は何処の隊だ?』『俺は戦爆隊(戦闘爆撃機、零戦の胴体下に250キロ爆弾を搭載し急降下爆撃をさせ、爆弾投下後は戦闘機として使用する)だよ、そうか貴様は戦闘機隊か、なら俺は安心して敵空母を攻撃できるな、目的地までの護衛を頼んだぞ』『そうか、戦爆隊か、なら俺が敵機を蹴散らして進路を開くから敵空母は任せたぞ!』と言って分かれたが私は何か嫌な予感がしてならなかった。そして、その予感が数日後現実の物になるとは思いもよらなかった。 翌日タウイタウイに到着して私は驚いた何とそこには不沈戦艦と呼ばれる戦艦「大和」・「武蔵」(この2隻は当時世界では類を見ない46センチ砲9門を備えた世界最大の戦艦であった、しかし武蔵はレイテ沖海戦で沈没、大和は沖縄特攻作戦で沈没)や巡洋艦(水雷戦隊)等、空母9隻・戦艦6隻・巡洋艦・駆逐艦合わせて40隻の軍艦が終結しまさに威風堂々の陣容であった。

 

2007/10/13(Sat) 20:50:53 [編集|削除]
■1040  Re: 零戦空戦記 奮戦編 
□投稿者/ 軍曹 一応書き込む人(35回)- [ID:OFKsEpHf]
Res10
引用

昭和19年6月18日日本艦隊はタウイタウイを出て一路マリアナ沖を目指し進撃を開始した。(実はこの時タウイタウイを監視していた米潜水艦から米機動部隊に日本艦隊が行動を開始した事を知らされていた)翌19日午前11時日本艦隊は四方八方に偵察機を飛ばし、2時間後の午後1時サイパン島近海を索敵していた偵察機から『敵空母発見』の報が入った。搭乗員待機室に集まった私達は「敵空母を必ず撃沈してやる」と意気込んでいたら飛行長が『米機動部隊への攻撃は明日明朝6時とする』と伝えられ私は思わず飛行長に『何故今出撃しないのですか?』と質問すると飛行長は『小沢長官から今攻撃隊を出撃させれば帰ってくる頃には夜間になり、着艦できなくなると言われたんだ貴様達の気持は分かるがここは我慢してくれ』と言われ仕方なく私は明日の出撃に備えるべく格納庫に向かい愛機の点検をして明日の決戦に備えた。

翌日午前5時30分私達搭乗員は飛行甲板に集合し艦長から訓示を受け、各自の愛機に散って行った。私は愛機の零戦五二型(零戦の中で最も生産されたタイプ、概要・主翼11メートル、エンジン栄二一型、馬力1,150馬力、武装7.7ミリ機銃2門20_機銃2門)の操縦席に乗り込み待機していると、艦橋の見張り台から『発艦せよ』の合図があり次々と艦載機(空母に搭載している飛行機)が発艦(着艦の逆)する中いよいよ私の番になり、スロットルを全開にして空母から飛び立ち、上空で旋回しながら編隊を組み敵機機動部隊を求めて一路サイパン近海に向った。敵機動部隊との位置まで半分の行程を過ぎた頃、突如戦闘機隊第一小隊が増槽を捨てて急上昇して行ったので私は周囲を見回し索敵すると1時方向に黒い豆粒ほどの物体が見えたので更に目を凝らしてみると、それは敵機グラマンF6F(米軍が開発した零戦に対抗する為に作られた戦闘機、概要・エンジン2千馬力、武装12.7_機銃6廷装備)の大群だった。私も増槽を投下して敵機の真正面からすれ違いざまに敵機に7.7_機銃と20_機銃計4門を発射し、続いて左に急旋回して我が攻撃隊を撃墜しようと接近している敵機を背後から1連射し敵機は黒煙を上げながら墜落していった。私は上昇しながら敵機を索敵し、攻撃隊に近づこうとしている敵機にがむしゃらに機銃を撃っていると後方から殺気のようなものを感じ振り返ってみると不覚にも敵機に追撃されていた、次の瞬間には敵機の翼から火の束のような機銃弾が『バシッ』という衝撃と共に我が機の翼に命中し私は瞬間的に機を横滑り(機首は前を向いているけど機体は前ではなく斜めに進む)させて回避していた時ふと真上から火を噴いて墜落する飛行機が見えたので敵機か?と思い良く見てみるとそれは、我が攻撃隊の艦上攻撃機『天山』だった、『野朗っ』と思った私は追撃してくる敵機に対し操縦桿を引いて垂直旋回(円を描くように旋回する事)し敵機を真上から集中攻撃して敵機を撃墜し、後は無我夢中で敵機を攻撃していた。

 

2007/10/13(Sat) 20:51:39 [編集|削除]
■1041  Re: 零戦空戦記 奮戦編 
□投稿者/ 軍曹 一応書き込む人(36回)- [ID:OFKsEpHf]
Res11
引用

 そしてその頃、我が攻撃隊は敵機動部隊の真上に到達し急降下爆撃機彗星・爆装零戦は上空から天山艦攻は低空から同時に攻撃を開始し猛烈な対空砲火の中敵空母「レキシントン」や巡洋艦に数発の命中弾を与え空母「レキシントン」を中破、巡洋艦を大破させたものの我が方も対空砲火によって艦爆(急降下爆撃機の別名)・艦攻30機中艦爆9機・艦攻8機を撃墜され、攻撃後の帰投中にも敵機の攻撃を受け編隊はバラバラになって帰投していった。敵機との空戦で乱戦になり気が付くと私は一人になっていた、辺りに友軍機は居ないかと周囲を見回すと左斜め前方に彗星艦爆隊がいたのでバンク(翼を左右に振って味方だと知らせる)をしながら近づき一緒に帰投していると前方にふらつきながら飛行している零戦がいたので近づいてみるとその零戦は胴体や主翼に無数の弾痕があり、操縦席の風防まで穴が開いていた。ふとパイロットを見るとそれは昨日この作戦について語り合った倉持三飛曹ではないか、私はその倉持機の少し前に出て手信号で『大丈夫か?』と聞いてみると倉持三飛曹は笑顔で片手を挙げて『これくらい大丈夫さ』と返してきた、さらに私は『爆弾は命中したか?』と聞くと『敵空母の飛行甲板のど真ん中に当ててやったよ、貴様は何機落とした?』と逆に聞かれ『多分6機くらいだと思う無我夢中で撃ったからあまり覚えてないな』とお互いの戦果を言いながら艦爆隊と共に悠々と飛行していた、敵機の送り狼が近づいている事も知らずに。
 私と倉持三飛曹は一通り話した後艦爆隊の後方に付くべくスロットルを絞り機首を上げようとして瞬間、隣にいた倉持機が突然火を噴いて海面に向って墜落していったので私は急降下して倉持機を見守っていると倉持機は機を横滑りさせて火を消し機を立て直すかに見えたものの、そのまま機首を引き起こさず真っ逆さまに海面に白い波紋も残して消えていった。その光景を一部始終見ていた私は、叫びにもならない声を上げ、急上昇して行った2機のグラマンF6Fは今度は私を撃墜しようと急降下してきたので私はこれに対し逆に急上昇し真正面から左側にいるグラマンのエンジン付近に機銃を発射し敵機は黒煙を吐きつつ海面に墜落した。右側にいた敵機はまだまだこれからだと言わんばかりに急降下から急上昇に移ろうとした所を私はその頂点目掛けて7.7_機銃と20_機銃4門を発射し、機銃弾は敵機に吸い込まれるように命中し敵機は空中分解して四散した。
私は辺りに敵機がいないか警戒しつつ再び艦爆隊と共に飛行し空母に着艦し、飛行長に戦果と倉持三飛曹の事を報告して作戦は成功したのかを聞いた所『作戦は失敗したよ・・・我が方は空母2隻を潜水艦の雷撃で撃沈させられた上に攻撃隊も被害甚大でこれでは敵空母を攻撃するだけの機能はもう無いと言っていいくらいだ』と言われ私は搭乗員待機室のベッドに横になりながら『倉持三飛曹貴様の仇は俺が必ず取ってやる』と呟きながらマリアナ沖海戦の第一日目は終わった、私の心に深い傷を残して。

『奮戦編』完
次号いよいよクライマックス直前の『激闘編上』
乞うご期待


 

2007/10/13(Sat) 20:52:21 [編集|削除]
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